オレンシア®皮下注シリンジ・オートインジェクター (アバタセプト) 添付文書

オレンシア®皮下注シリンジ・オートインジェクター (アバタセプト) 添付文書

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A 長期保存試験:5℃暗所において無色ガラスバイアルで36ヵ月保存した結果、36ヵ月まで規格内でした。

加速試験:25℃/60%RH暗所において無色ガラスバイアルで36ヵ月保存した結果、純度試験において経時的な変化が見られ、3ヵ月の時点で規格に適合しませんでした。ペプチドマップにおいて経時的な変化が見られ、9ヵ月の時点で規格に適合しませんでした。

苛酷試験:30℃/65%RH暗所及び40℃/75%RH暗所において、無色ガラスバイアルで12ヵ月及び6ヵ月保存した結果、純度試験において経時的な変化が見られ、いずれの条件においても3ヵ月の時点で規格に適合しませんでした。ペプチドマップにおいて経時的な変化が見られ、30℃/65%RH暗所では6ヵ月の時点で、40℃/75%RH暗所では1ヵ月の時点で規格に適合しませんでした。(引用[1])。



A 遮光して2~8℃で保存してください。希釈後は速やかに使用してください。希釈後やむをえず保存する場合は、2~25℃で保存し、24時間以内に使用してください(引用[2])。

<添付文書>

14. 適用上の注意 14.1 薬剤調製時の注意 14.1.3 希釈方法

(3)希釈後は速やかに使用すること。なお,希釈後やむをえず保存する場合は,2~25℃で保存し,24時間以内に使用すること。

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。



A オレンシア点滴静注用は、外箱開封後は遮光して保存してください。

なお、苛酷試験の結果は、保存条件が25℃高照度光/紫外線、保存形態は無色ガラスバイアル、保存期間が4日(120万lx・hr、200W・hr/m2)において、純度試験が規格に適合しませんでした (引用[1])。

<添付文書>

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。



A オレンシア点滴静注用は分割使用せず、バイアル中の残液は廃棄してください(引用[2])。

<添付文書>

14. 適用上の注意 14.1 薬剤調製時の注意 14.1.3 希釈方法

(1)溶解後速やかに総液量約100mLとなるように以下の方法で日局生理食塩液で希釈する。

・あらかじめ日局生理食塩液100mLの点滴バッグ又はボトルから,注入する溶解液と同じ容量分を抜き取っておく。

・本剤に添付されたシリコーン油を塗布していない専用のディスポーザブルシリンジ及び18~21Gの注射針を用いて,必要量の溶解液をバイアルから採取し,点滴バッグ又はボトルに緩徐に注入し,緩やかに混和する。バイアル中の残液は廃棄すること。



A  1バイアル当たり10mLの日局注射用水(日局生理食塩液も使用可)で溶解します。溶解後速やかに、必要量を総液量約100mLとなるように日局生理食塩液で希釈してください(引用[2])。

上記以外の溶液で溶解・希釈した試験は行っておりません。他の溶液での溶解・希釈は避けるようお願い致します。

<添付文書>

14. 適用上の注意 14.1 薬剤調製時の注意 14.1.2 溶解方法

本剤に添付されたシリコーン油を塗布していない専用のディスポーザブルシリンジ及び18~21Gの注射針を用いて,本剤1バイアル当たり10mLの日局注射用水(日局生理食塩液も使用可)で溶解してアバタセプト(遺伝子組換え)25mg/mLの濃度とする。

14.1.3 希釈方法

(1)溶解後速やかに総液量約100mL となるように以下の方法で日局生理食塩液で希釈する。

・あらかじめ日局生理食塩液100mL の点滴バッグ又はボトルから,注入する溶解液と同じ容量分を抜き取っておく。

・本剤に添付されたシリコーン油を塗布していない専用のディスポーザブルシリンジ及び18~21Gの注射針を用いて,必要量の溶解液をバイアルから採取し,点滴バッグ又はボトルに緩徐に注入し,緩やかに混和する。バイアル中の残液は廃棄すること。



A 日局注射用水もしくは日局生理食塩液で溶解してアバタセプト(遺伝子組換え)25mg/mLの濃度とした後、5℃/暗所もしくは室温/室内散光下で保存したとき、24時間変化なしでした。ただし、一般に調製後の注射液を保存した場合、雑菌等の繁殖が懸念されるため、無菌性の観点から用時調製し、調製後は速やかに使用してください。希釈後やむをえず保存する場合は、2~25℃で保存し、24時間以内に使用するようお願いします(引用[1])。



A 日局生理食塩液で溶解してアバタセプト(遺伝子組換え)25mg/mLの濃度とした後、さらに日局生理食塩液で1mg/mLの濃度に希釈し、5℃/暗所もしくは室温/室内散光下で保存したとき、24時間変化なしでした。ただし、一般に調製後の注射液を保存した場合、雑菌等の繁殖が懸念されるため、無菌性の観点から用時調製し、調製後は速やかに使用してください。希釈後やむをえず保存する場合は、2~25℃で保存し、24時間以内に使用するようお願いします (引用[1])。



A オレンシア点滴静注用は遮光保存ですが、投与時の遮光について特に規定はございません。

<参考>

日局生理食塩液で溶解してアバタセプト(遺伝子組換え)25mg/mLの濃度とした後、さらに日局生理食塩液で1mg/mLの濃度に希釈し、室温/室内散光下で保存したとき、24時間変化なしでした(引用[1])。



A バイアルのゴム栓部分、シリンジともにラテックスは含まれておりません。なお、ゴム栓はフッ素樹脂コートされたブチルゴムです(引用[1])。



A 薬剤の調製を容易に行うためバイアル内を陰圧にしています。溶解液を10mL注入した場合でもバイアル内は陰圧となっており、溶解後に泡立ちがある場合にはバイアル内に針で通気すると泡立ちが少なくなります (引用[1])。



A 関節リウマチの承認時(2010年7月23日)に検討された結果は次の通りでした。

国内で使用されているフィルターで、検討が行われたフィルター(下表)においては、滴下速度が著しく遅くなることはなく30 分以内に滴下が終了し、目詰まりはしないことが確認されました。また、タンパク濃度においては、ろ過後にその濃度が低下することはなく、いずれのフィルターにも吸着はしないことが確認されました(引用[3])。

表 オレンシアの透過性を検討したフィルター一覧

テーブル

自動的に生成された説明

関節リウマチの承認時に検討された結果であり、販売中止になった製品も含まれている可能性があります。販売状況は製造元にご相談ください。



A フィルターの使用は、必須です。本剤は、無菌・パイロジェンフリーで蛋白結合性の低い0.2~1.2ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与してください(引用[2])。

【補足】

本剤成分のアバタセプトは分子量約92,000の高分子蛋白であり、溶解時に激しく振ったり、希釈時に急速に点滴バッグ等に注入したりすると蛋白が凝集し、微粒子が生成する可能性があります。本剤の臨床試験ではインラインフィルターを用いた投与が行われていました(引用[1])。

<添付文書>

14. 適用上の注意 14.2 薬剤投与時の注意

14.2.2 本剤は,無菌・パイロジェンフリーで蛋白結合性の低い0.2 ~1.2 ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。



A 無菌・パイロジェンフリーで蛋白結合性の低い0.2~1.2ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与してください(引用[2])。

フィルターの性状に関しては各メーカーにお問い合わせください。

<添付文書>

14. 適用上の注意 14.2 薬剤投与時の注意

14.2.2 本剤は,無菌・パイロジェンフリーで蛋白結合性の低い0.2 ~1.2 ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。



A 本剤をシリコーン油が塗布されたシリンジを用いて調製した場合、本剤成分のアバタセプトとシリコーン油との相互作用により浮遊物が生じることがあるためです。本剤を調製する際には、本剤に添付されているシリコーン油を塗布していない専用シリンジを用いてください。シリコーン油が塗布されたシリンジを用いて調製した溶液は廃棄してください(引用[1] 2 3)。

<添付文書>

14. 適用上の注意 14.1 薬剤調製時の注意

14.1.1 本剤の溶液中に浮遊物が生じることがあるため,本剤をシリコーン油が塗布されたシリンジを用いて調製しないこと。シリコーン油が塗布されたシリンジを用いて調製した溶液は廃棄すること。



A アバタセプトは抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合することでCD28を介した共刺激シグナルを阻害します。その結果、関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制し、さらに他の免疫細胞の活性化あるいは関節中の結合組織細胞の活性化によるマトリックスメタロプロテアーゼ、炎症性メディエーターの産生を抑制すると考えられます。(引用[2])。



A 日本人関節リウマチ患者にオレンシア点滴静注用製剤2~16mg/kgを30分かけて単回点滴静注したとき、アバタセプトの薬物動態は線形性を示し、半減期(t1/2)は約10日でした(引用[2])。



A 国内第Ⅱ相臨床試験(IM101-071)及び第Ⅲ相臨床試験(IM101-129)において得られた血清中濃度データを0次吸収及び1次消失を伴う2-コンパートメントモデルを用いて、日本人成人関節リウマチ患者におけるPPK解析を実施したところ、PPKモデルでは、CLの変動要因として体重及び糸球体ろ過速度、V1及びV2の変動要因として体重が選択されました。解析の結果、体重の増加と共にアバタセプトのCLは増加することが示されましたが、体重別固定用量(60kg未満は500mg、60kg以上100kg以下は750mg、100kgを超えた場合は1g)での投与では、体重の影響は臨床上は重要ではないと考えられました。日本人関節リウマチ患者における母集団解析ではGFRもCLの共変量として選択されましたが、日本人関節リウマチ患者のCL推定値の分布は比較的狭く、かつGFRが共変量と特定されなかった外国人関節リウマチ患者のCL推定値の分布範囲に含まれたことから、GFRは臨床的に重要な影響を及ぼさないと考えられました。その他、年齢及び性別、併用薬(MTX、副腎皮質ステロイド、NSAID及びTNF阻害薬)の影響についても検討されましたが、体重以外に臨床的に重要な変動要因は認められませんでした(引用[1])。



A 代謝:

代謝を検討したデータはありません。

アバタセプトは内因性の蛋白と同一の分解経路によりアミノ酸へと代謝されると考えられます。また、全身に存在するプロテアーゼのような蛋白分解酵素により代謝される可能性があります。したがって、アバタセプトは肝臓中でのみ代謝されるのではなく、血液中や他の組織中でも代謝されると考えられます(引用[1])。

排泄:

排泄を検討したデータはありません。

分子量が大きいため、腎を介した排泄はほとんどないと考えられます(引用[1])。



A 【既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)】

通常、成人にはアバタセプト(遺伝子組換え)として以下の用量を1回の投与量とし点滴静注します。初回投与後、2週、4週に投与し、以後4週間の間隔で投与してください(引用[2])。

テーブル

自動的に生成された説明

【既存治療で効果不十分な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎】

通常、アバタセプト(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)を点滴静注します。初回投与後、2週,4週に投与し,以後4週間の間隔で投与してください。

ただし、体重75kg以上100kg以下の場合は1回750mg、体重100kgを超える場合は1回1gを点滴静注してください(引用[2])。



A 点滴静注用製剤から皮下注製剤(オレンシア®皮下注125mgシリンジ1mL/オートインジェクター1mL)への切り替え

点滴静注用製剤から皮下注製剤に切り替える場合、負荷投与は行わず、次に予定している点滴静注の代わりに本剤の初回皮下注射を行ってください(引用[4])。

皮下注製剤から点滴静注用製剤への切り替え

確立された切り替え方法はありません。

<添付文書>

7. 用法及び用量に関連する注意

7.3 点滴静注から皮下注射に切り替える場合,負荷投与は行わず,次に予定している点滴静注の代わりに本剤の初回皮下注射を行うこと。



A 

手術を行う患者への投与報告が少なく、周術期管理については確立していません。国内報告では、アバタセプト投与中に人工膝関節置換術(TKA)を施行した関節リウマチ患者2例において、術前4週、術後2週~4週の休薬で手術後の創傷治癒の遅延や感染症の発現、多関節痛の再燃はなく、特に問題はなかったと報告されています(引用[3])。

【参考】

関節リウマチ(RA)に対するアバタセプト使用の手引きもご参照ください。

https://www.ryumachi-jp.com/publish/guide/guideline_abt/



A 抗TNF製剤等の生物製剤からの切り替えについては、添付文書の8.重要な基本的注意8.1に以下の通り記載して注意喚起しております(引用[2])。

<添付文書>

8. 重要な基本的注意

8.1抗TNF製剤等の生物製剤から本剤に切り替える際には,感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。

抗TNF製剤からの切り替えについては、以下の報告がございます。

ARRIVE試験

抗TNF製剤が効果不十分となった患者を対象として、抗TNF製剤からオレンシア点滴静注用への切り替え時のウォッシュアウト期間の必要性について検討されました。本試験の対象患者は、スクリーニング時において、ウォッシュアウト群では、抗TNF製剤を2ヵ月以上投与中止しているものが登録され、非ウォッシュアウト群では、抗TNF製剤を2ヵ月以内に投与されているものが登録されました。その結果、ウォッシュアウト期間の有無はオレンシア点滴静注用の有効性・安全性に大きな影響を及ぼさないことが示唆されました (引用[3])。

<参考>

薬物動態

【関節リウマチ】

日本人の関節リウマチ患者に本剤2~16mg/kgを30 分かけて単回点滴静注したときアバタセプトの薬物動態は線形性を示し、半減期(t1/2)は約10日でした。

日本人の関節リウマチ患者に初回投与後、2週及び4週にアバタセプト10mg/kgを投与し、初回投与後2及び4週の負荷投与により、アバタセプトの血清中濃度は速やかに定常状態を超える濃度に達し、以後4週間隔の投与開始3回目までに定常状態に到達しました(引用[2])。

【若年性特発性関節炎JIA】

多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者に、本剤を承認された用法及び用量で反復点滴静注したとき、初回投与後2及び4週の負荷投与により、アバタセプトの血清中濃度は速やかに定常状態を超える濃度に達し、以後4週間隔の投与開始2回目までに定常状態に到達しました(引用[2])。



A 添付文書上、オレンシア点滴静注用製剤を使用する際は体重別固定用量で投与量が規定されており、それ以外の投与量での投与は推奨いたしかねます(引用[2])。

<添付文書>

6. 用法及び用量

(関節リウマチ)

通常,成人にはアバタセプト(遺伝子組換え)として以下の用量を1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後,2週,4週に投与し,以後4週間の間隔で投与を行うこと。

テーブル

自動的に生成された説明

<インタビューフォーム>

(2)用法及び用量の設定経緯・根拠

[関節リウマチ] 非臨床試験成績に基づき、本剤は 10 μg/mL 以上の濃度域で最大薬理作用を示すと予測された。 海外臨床試験(IM101-001、003)の乾癬患者における薬物動態(PK)成績から、本剤の半減期が 約 2 週間であり、1、15、29 日目、それ以降はおおよそ 1 ヵ月ごとに本剤 10mg/kg を投与する用法・ 用量でトラフ濃度が目標の濃度域(10 μg/mL)に到達すると予測し、関節リウマチ患者を対象と した海外の用量設定試験(IM103-002、IM101-100)を実施した。その結果、投与群間の差を検出 するのに十分な検出力は確保されていなかったものの、改善率に用量反応性が認められ 10mg/kg を投与したときの血清中トラフ濃度の平均値は、非臨床試験成績に基づいて最大薬理作用を示すと 予測した濃度域(10 μg/mL 以上)に達していた(「V-5.(3)用量反応探索試験」の項参照)。 有効性の評価対象とした国内及び海外の臨床試験では、いずれも本剤を初回投与後、2 週(15 日目)、 4 週(29 日目)、以降 4 週間(28 日又は 1 ヵ月)ごとに投与するスケジュールを採用しており、試験 期間を通じてその有効性が確認された。 なお、国内外の臨床試験成績から、本剤 2、10mg/kg を初回投与後、2 週(15 日目)、4 週(29 日 目)、以降 4 週間(28 日又は 1 ヵ月)間隔で投与した結果、本剤の効果には用量反応性が認められ、 10 mg/kg の有効性が最も高かった。本剤の安全性プロファイルは 2mg/kg と 10mg/kg でほぼ同 様で、用量の増加に伴って有害事象の発現頻度が上昇する傾向は認められなかった。また 10mg/ kg と 10mg/kg 相当の体重別固定用量における本剤の有効性は同程度であった(「Ⅴ-5.臨床成績」 の項参照)。以上のことから本剤の推奨用量を 10mg/kg 相当の体重別固定用量と設定した(引用[1])。



A 既存治療で効果不十分な、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)および多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎です(引用[2])。

<添付文書>

4. 効能又は効果

既存治療で効果不十分な下記疾患

○関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

○多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎



A 添付文書(引用[2])において、抗体産生に関して以下の通り記載されております。

<添付文書>

15. その他の注意 15.1 臨床使用に基づく情報

15.1.3本剤投与後,本剤に対する抗体が産生されることがある。海外臨床試験において投与期間として最長8年間,本剤による治療を行った関節リウマチ患者3,985例について本剤に対する抗体の発現を評価したところ,投与期間中の抗体陽性率は3,877例中187例(4.8%),投与中断又は中止した患者における最終投与後43日以降の抗体陽性率は1,888例中103例(5.5%)であった。また,評価が可能であった48例中22例に中和抗体活性が認められている。国内臨床試験では,投与期間中の抗体陽性率が231例中7例(3.0%),投与中断(最長約3年)又は中止例を含めた全体の陽性率が231例中33例(14.3%)であり,評価が可能であった25例中8例に中和抗体活性が認められている。なお,抗体の発現と効果又は有害事象との関連は明らかではない。

なお、抗体の発現時期や発現しやすい患者には特定の傾向はみられておりません。ただし、投与を中止した場合や投与中断期間が比較的長い場合(約2~6ヵ月)には免疫原性の陽性率が上昇する傾向がみられています。また、投与を再開すると、陽性率が低下しています(引用[3])。



A 一般にオレンシアを含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は、予防接種の効果を低下させる可能性があります。小児患者には本剤投与前に必要なワクチンを接種しておくことが望ましいとされています(引用[2])。

◆生ワクチン

オレンシアを含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構やワクチン接種に対する応答に影響を及ぼす可能性があります。オレンシア点滴静注用製剤投与中及び投与中止後3ヵ月間は、生ワクチン接種により感染する潜在的リスクがあるので、生ワクチン接種を行わないでください (引用[2])。

◆不活化ワクチン

不活化ワクチンについては、オレンシア投与中におけるワクチン接種の有効性は不明ですが、健康成人へのオレンシア単回投与では、破傷風トキソイドおよび肺炎球菌ワクチンに対し抗体価の上昇が認められました。また、メトトレキサートを投与されている関節リウマチ患者へのオレンシア反復投与では、肺炎球菌ワクチン投与に対し抗体価の上昇が認められました(引用[3])。

<点滴静注製剤での報告>

アバタセプト静注用製剤(以下IV)投与の7日前に患者(20例)に3価インフルエンザワクチンを接種したところ、接種35日後に、3価ワクチンに含まれるH1N1株、H3N2株およびB型インフルエンザ株に対する抗体価が上昇した患者の割合は、それぞれ55%、50%および35%でした(引用[3])。アバタセプト静注用製剤(以下IV)の投与予定日の7日前(21例)に肺炎球菌ワクチンを接種したときの抗体価陽性率は、71%でした(引用[3])。健康被験者(80例)を対象とした単回IV投与試験では、破傷風トキソイドワクチン接種28日後に抗体価上昇が認められた被験者は60%、23価肺炎球菌ワクチン接種14日後および28日後に少なくとも1種類の血清型に対する抗体価が認められた被験者は90%以上でした(引用[3])。

<添付文書>(引用[2])

8. 重要な基本的注意

8.4 本剤投与中及び投与中止後3ヵ月間は,生ワクチン接種により感染する潜在的リスクがあるので,生ワクチン接種を行わないこと。また,一般に本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は,予防接種の効果を低下させる可能性がある。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.7 小児等

9.7.1 本剤投与前に必要なワクチンを接種しておくことが望ましい。

<参考>

関節リウマチ(RA)に対するアバタセプト使用の手引き1)もご参照ください。

https://www.ryumachi-jp.com/publish/guide/guideline_abt/



A アバタセプトの国内臨床試験において、カルシニューリン阻害薬(タクロリムス及びシクロスポリン)の併用を禁止しており、併用に関して十分なデータは得られておらず、安全性は確立していません(引用[1] 2)。

<添付文書>

15. その他の注意  15.1 臨床使用に基づく情報

15.1.5本剤とタクロリムス等のカルシニューリン阻害薬との併用について,安全性は確立していない。



A 添付文書上、抗リウマチ生物製剤以外の生物製剤との併用に関しては記載がございませんため、使用に際してはオレンシアおよび併用する薬剤の薬理作用や副作用等を考慮の上、ご判断いただけますようお願いいたします。

なお、添付文書には以下の通り記載されており、他の抗リウマチ生物製剤との併用はお勧めできません。(引用[2])

<添付文書>

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤と抗TNF製剤の併用は行わないこと。海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、本剤と抗TNF 製剤の併用療法を受けた患者では併用による効果の増強は示されておらず、感染症及び重篤な感染症の発現率が抗TNF製剤のみによる治療を受けた患者での発現率と比べて高かった。また、本剤と他の生物製剤の併用について、有効性及び安全性は確立していないので、併用を避けること。



A 添付文書上、以下の通り記載されております。

<添付文書>

1. 警告

1.1 (前略)また,本剤との関連性は明らかではないが,悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め,これらの情報を患者に十分説明し,患者が理解したことを確認した上で,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(後略)

8. 重要な基本的注意

8.3 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。また,臨床試験において,悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤に起因するか明らかではないが,悪性腫瘍の発現には注意すること。

■発現頻度

<臨床試験>

海外における関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照試験において、悪性腫瘍の発現率は、アバタセプトを投与(中央値12ヵ月)した2,111例のうち29例(1.4%)で、プラセボを投与した1,099例のうち12例(1.1%)と同様でした。関節リウマチ患者を対象とした海外二重盲検試験及び非盲検試験において、アバタセプトを投与した6,028例(16,671人・年)における悪性腫瘍の発現率は、100人・年当たり1.35であり、7年間ほぼ一定でした。このうち、黒色腫以外の皮膚癌が0.64、固形癌が0.62及び悪性血液疾患が0.10でした。主な固形癌は肺癌(0.14/100人・年)であり、主な悪性血液疾患はリンパ腫(0.06/100人・年)であり、7年間ほぼ一定でした。二重盲検試験及び非盲検試験の累積データにおける、悪性腫瘍全体の発現率、主な癌種別(黒色腫以外の皮膚癌、固形癌及び悪性血液疾患)の発現率、個々の癌種の発現率はいずれも二重盲検試験と同様でした。なお、これらの悪性腫瘍の発現率は関節リウマチ患者から予測されるものと一致していました(引用[2])。



A 重篤な過敏症が現れることがあるため、観察を十分に行い、このような反応が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行ってください(引用[2])。

<添付文書>

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

11.1.2 重篤な過敏症

ショック,アナフィラキシー(0.1%未満)及び低血圧,蕁麻疹,呼吸困難等の重篤な過敏症があらわれることがある。

国内臨床試験では承認時までに重篤な過敏症の副作用報告はありませんでしたが、国内使用成績調査(全例調査)では、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー反応が各0.03%(1例/3,967例)に認められました。また、海外では二重盲検比較試験中(平均曝露期間10.5±3.1ヵ月)に副作用として過敏症が0.2%(3/1,955例)で報告されており、長期継続投与期間(平均曝露期間34.7±20.8ヵ月)にはアナフィラキシー反応が0.1%未満(1/3,256例)、過敏症が0.2%(8/3,256例、うち重度以上が1例)で報告されました。また、海外市販後報告では、推定曝露患者数32,187人・年のうち重篤なアレルギー反応として48件(うちアナフィラキシー反応が23件、過敏症が17件、アナフィラキシー様反応が1件)が報告されました(データカットオフ日:2008年12月22日)(引用[1])。

観察を十分に行い,重篤な過敏症が発現した場合は,投与を中止するなど適切な処置を行ってください(引用[2])。



A アバタセプトの副作用として、その他の副作用の項に血中ブドウ糖増加が0.1~1%未満の頻度で発生することが記載されておりますのでご注意ください(引用[2])。

また、添加物としてマルトースを含有していることから血糖値の測定に影響を及ぼす可能性があり、添付文書に以下の記載を行い注意喚起しております(引用[2])。

12.臨床検査結果に及ぼす影響

本剤は添加剤としてマルトースを含有している。グルコース脱水素酵素(GDH)法を用いた血糖測定法ではマルトースが測定結果に影響を与え,実際の血糖値よりも高値を示す場合があることが報告されている。本剤を投与されている患者の血糖値の測定には,マルトースの影響を受ける旨の記載がある血糖測定用試薬及び測定器は使用しないこと。

必要に応じてご使用する医療機器の販売元にご相談ください。



A 添付文書上、重篤な感染症の患者は禁忌、感染症の患者又は感染症が疑われる患者は特定の背景を有する患者に関する注意に該当します(引用[2])。

アバタセプトを投与された患者に、敗血症や肺炎を含む重篤な感染症が報告されており、致命的な経過をたどることがあります。

感染症の再発を繰り返す患者、易感染性の状態にある患者、あるいは慢性、潜在性の感染又は局所感染がある患者に対してアバタセプトの使用を考慮する場合、感染症の発現や増悪に十分注意してください。また、アバタセプト投与中は、十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意してください(引用[2])。

<添付文書>

1. 警告

1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。(以下省略)

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

2.2 重篤な感染症の患者

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)

感染症の発現や増悪に十分注意すること。

9.1.3 易感染性の状態にある患者感染症を誘発するおそれがある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

11.1.1 重篤な感染症

敗血症(0.1%),肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)(0.9%),蜂巣炎(0.4%),局所感染(0.1%未満),尿路感染(0.3%),気管支炎(1.2%),憩室炎(0.1%未満),急性腎盂腎炎(0.1%未満)等の重篤な感染症があらわれることがあり,致命的な経過をたどることがある。重篤な感染症の多くは,免疫抑制療法を併用している患者において認められている。

アバタセプトの投与により感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性があるため(引用[2])、既存の帯状疱疹が悪化する可能性は否定できません。アバタセプト投与により帯状疱疹が悪化した場合、アバタセプトに特有の対処法はありません。医療機関のご判断で適切な処置を行ってください。

<参考>

アバタセプト承認時までの国内臨床試験において、点滴静注製剤では1.3%(3/223例)に帯状疱疹の発現が認められました(引用[1])。また、点滴静注製剤の国内使用成績調査(全例調査)においては、帯状疱疹0.91%(36/3,967例)、水痘帯状疱疹ウイルス感染0.03%(1/3,967例)、国内第Ⅳ相試験においては、帯状疱疹1.5%(3/203例)報告されています(引用[1])。



A 重篤な感染症が発現した場合には、投与を中止し適切な処置を行ってください(引用[2])。

なお、アバタセプト投与による感染症に特有の治療法はありません。

添付文書上、重篤な感染症の患者は禁忌、感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者は特定の背景を有する患者に関する注意に該当します(引用[2])。

アバタセプトを投与された患者に、敗血症や肺炎を含む重篤な感染症が報告されており、致命的な経過をたどることがあります。

感染症の再発を繰り返す患者、易感染性の状態にある患者、あるいは慢性、潜在性の感染又は局所感染がある患者に対してアバタセプトの使用を考慮する場合、感染症の発現や増悪に十分注意してください。また、アバタセプト投与中は、十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意してください。

<添付文書>

1. 警告

1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。(後略)

2. 禁忌

2.2 重篤な感染症の患者

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。

8.2.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え,インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い,適宜胸部CT 検査等を行うことにより,結核感染の有無を確認すること。また,本剤投与中も,胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し,患者に対し,結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳,発熱等)には速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお,結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。

8.2.3 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)

感染症の発現や増悪に十分注意すること。

9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者

(1)結核の既感染者では,結核を活動化させる可能性が否定できない。

(2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には,結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には,原則として抗結核薬を投与した上で,本剤を投与すること。

・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

・インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により,既感染が強く疑われる患者

・結核患者との濃厚接触歴を有する患者

9.1.3 易感染性の状態にある患者

感染症を誘発するおそれがある。

9.1.4 B 型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

11.1.1 重篤な感染症

敗血症(0.1%),肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)(0.9%),蜂巣炎(0.4%),局所感染(0.1%未満),尿路感染(0.3%),気管支炎(1.2%),憩室炎(0.1%未満),急性腎盂腎炎(0.1%未満)等の重篤な感染症があらわれることがあり,致命的な経過をたどることがある。重篤な感染症の多くは,免疫抑制療法を併用している患者において認められている。

各種臨床試験及び市販後調査における感染症の発現率は以下の通りです(引用[1])。

<関節リウマチ>

国内臨床試験における感染症および寄生虫症の発現率は51.6%(115/223例)でした。主なものは上気道感染76例34.1%、胃腸炎11例4.9%、膀胱炎、下気道感染、白癬感染各8例3.6%でした。

国内第IV相試験における感染症および寄生虫症の発現率は21.7%(44/203例)で、主なものは鼻咽頭炎15例7.4%、咽頭炎5例2.5%、上気道感染4例2.0%、帯状疱疹、歯肉炎、インフルエンザ各3例1.5%でした。

国内使用成績調査(全例調査)における感染症および寄生虫症の発現率は5.65%(224/3967例)で、そう痒症16例0.40%、蕁麻疹14例0.35%、頭痛、間質性肺疾患各11例0.28%のほか、帯状疱疹36例(0.91%)、気管支炎34例(0.86%)、上咽頭炎33例(0.83%)でした。

海外二重盲検比較試験における感染症および寄生虫症の発現率は23.2%(454/1955例)で、上気道炎93例4.8%、鼻咽頭炎63例3.2%、気管支炎43例2.2%、尿路感染42例2.1%でした。

<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>

国内臨床試験における感染症及び寄生虫症の発現率は20.0%(4/20例)、胃腸炎、鼻咽頭炎、口腔カンジダ症、口腔ヘルペス各1例5.0%でした。

海外臨床試験における感染症及び寄生虫症の発現率は非盲検導入期で7.9%(15/190例)、副鼻腔炎4例2.1%、上気道感染3例1.6%、鼻咽頭炎、急性中耳炎、鼻炎各2例1.1%、二重盲検期で10.0%(6/60例)で、2例以上に発現した感染症はありませんでした。

海外第III相試験の非盲検継続投与期における感染症及び寄生虫症の発現率は32.0%(49/153例)、上気道感染9例5.9%、副鼻腔炎及び尿路感染各5例3.3%でした。



A オレンシアに特有の投与時反応への対処法はありません。

また、予防に関しては、国内外臨床試験でも前投薬の規定は設けておらず、承認時までの国内外の投与時反応に関する報告データより、具体的なモニタリング規定は設けておりません。

なお、本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者様は禁忌となっておりますので、ご注意ください(引用[2])。

<添付文書>

2. 禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

海外の二重盲検比較試験のうち3試験(安全性評価対象1,650例)において,投与直後の有害事象(投与開始後1時間以内に発現した有害事象)は,プラセボ群に比べ本剤投与群の患者でより多く認められました(本剤投与群で9.8%,プラセボ群で6.7%)。本剤投与群で認められた主な事象(>1.0%)は,浮動性めまい(2.1%),頭痛(1.8%),高血圧(1.2%)でした。1%以下で0.1%を上まわった事象は,低血圧,血圧上昇,呼吸困難等の心肺症状のほか,悪心,潮紅,蕁麻疹,咳嗽,過敏症,そう痒症,発疹,喘鳴でした。(引用[3]



A 添付文書上、腎機能障害患者への投与に関して、制限や投与量調整等の規定はございません。

また、腎・泌尿器系に関連する副作用が報告されています(引用[2])。

投与に際しては、患者の状態を十分に観察し、リスクとベネフィットを十分に考慮した上で、医師の判断でお願いします。

<参考>

◆薬物動態

アバタセプトの分子量(約92000)は大きいため、腎を介した排泄はほとんどないと考えられます

(引用[1])。

◆非臨床データ

マウスを用いた6ヵ月の反復投与毒性試験において、病理組織学的変化として、腎臓で軽度の慢性多巣性炎、リンパ球浸潤及び尿細管細胞変性を伴う尿細管上皮細胞における巨大核の発現頻度及び程度の可逆的な上昇が認められました。臨床病理学的検査では腎機能に及ぼす悪影響はみられませんでした(引用[1])。



A 添付文書上、透析患者への投与に関して、制限や投与量調整等の規定はございません。

腹膜透析及び血液透析による除去率について検討したデータはございません。

投与に際しては、患者の状態を十分に観察し、リスクとベネフィットを十分に考慮した上で、医師の判断でお願いします

<参考>

◆薬物動態

アバタセプトの分子量(約92000)は大きいため、腎を介した排泄はほとんどないと考えられます

(引用[1])。

◆非臨床データ

マウスを用いた6ヵ月の反復投与毒性試験において、病理組織学的変化として、腎臓で軽度の慢性多巣性炎、リンパ球浸潤及び尿細管細胞変性を伴う尿細管上皮細胞における巨大核の発現頻度及び程度の可逆的な上昇が認められました。臨床病理学的検査では腎機能に及ぼす悪影響はみられませんでした(引用[1])。



A 添付文書上、肝機能障害患者への投与に関して、規定はございません。

ただし、抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されていますので、アバタセプトの投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認してください。B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)にアバタセプトを投与する場合は,患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意してください(引用[2])。

なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外されていました(引用[2])。

また、肝機能障害に関連する副作用が報告されています(引用[2])。

投与に際しては、患者の状態を十分に観察し、リスクとベネフィットを十分に考慮した上で、医師の判断でお願いします。

<添付文書>

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.3 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.4 B 型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc 抗体又はHBs抗体陽性)

患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。



A 添付文書上、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。と記載して注意喚起しております(引用[2])。

臨床試験では、妊婦もしくは妊娠の可能性がある症例に関しては除外基準となっており、妊娠中の投与に関する安全性は確立していません(引用[1])。

患者様の状態に合わせ、リスクとベネフィットを考慮の上、主治医の先生のご判断でお願いします。必要に応じ産科専門医にご相談ください。

また、ヒトでの胎盤通過性は不明ですが、ラット及びウサギにおいて胎盤通過性が認められています。また、ラット雌出生児に自己免疫様の所見(T 細胞依存性抗体応答亢進及び甲状腺炎等の免疫機能の変化)が認められています(引用[1])。

<添付文書>

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)において本剤の胎盤通過性が認められている。また,動物実験では最高投与量(マウスで300mg/kg,ラット及びウサギで200mg/kg)まで催奇形性は認められなかったが,投与量200mg/kg(ヒトに10mg/kg 投与した場合の全身曝露量(AUC)の11 倍のAUC)でラット雌出生児に自己免疫様の所見が認められている。

<参考>

◆オーストラリアの妊娠カテゴリー

Cです(引用[1])。

◆生殖発生毒性試験

1)受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験

ラットにアバタセプトを投与したところ、投与量200mg/kg(臨床用量でのヒトの曝露量の11 倍の曝露量)まで雌雄の親動物の生殖能及び次世代の初期胚発生に及ぼす影響は認められませんでした(引用[1])。

2)胚・胎児発生に関する試験

マウス、ラット及びウサギを用いた試験の結果、アバタセプト投与の影響はみられませんでした(ラット及びウサギの曝露量は、ヒトの曝露量のそれぞれ30 及び29 倍でした)。アバタセプトは試験に用いたいずれの動物種においても、母動物又は胚・胎児に毒性を示しませんでした。ラット及びウサギを用いた試験では、アバタセプトの胎盤通過が確認されたことから、アバタセプトを投与された母動物由来の胎児はアバタセプトに曝露されていたと考えられます(引用[1])。

3)出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験

ラットの母動物(F0)にアバタセプトをほぼ3 日に1 回静脈内投与したところ、母動物では投与量200mg/kg(臨床用量でのヒトの曝露量の11 倍の曝露量)まで、出生児(F1)では45mg/kg(臨床用量でのヒトの曝露量の3 倍の曝露量)までアバタセプト投与の影響はみられませんでした。投与量200mg/kg では、アバタセプト投与に関連するF1 雌ラットの変化として、KLH に対するT 細胞依存性抗体応答の亢進(対照群の9 倍)及び1 例で中等度のびまん性甲状腺炎が認められました。これらの所見は片性(雌)又は1 例の動物(雌)に限定された変化であり、その他の免疫学的パラメータ[脾臓リンパ球のフェノタイプ、血清Ig 量及び抗核抗体産生]には影響がみられませんでした(引用[1])。

4)新生児を用いた試験

小児適応のための毒性試験に関しては、幼若動物の毒性試験が点滴静注用製剤の初回申請時に既に評価されています。幼若ラットを用いた毒性試験において、アバタセプトを生後4日から3ヵ月間、3日に1回皮下投与(生後28日まで)及び静脈内投与(生後31日以降)した結果、免疫学的パラメータの変化並びに膵島及び甲状腺の炎症などの自己免疫様の所見が認められたため、その発現機序に関する免疫毒性試験を成熟及び幼若ラットを用いて実施しました。さらに、これらの成熟及び幼若ラット免疫毒性試験で発現した自己免疫様の所見について、アバタセプトの免疫原性[抗薬物抗体(ADA)産生]との関連性を検討する成熟ラットを用いた免疫毒性試験を追加実施し、その成績は皮下注製剤の承認事項一部変更申請時に評価されています。免疫毒性試験では、アバタセプトが薬理作用(免疫抑制作用)を示さず、免疫原性を示す用量である0. 03mg/kgをラットに投与した結果、ラットに認められた自己免疫様の所見はラットに特異的なアバタセプトの作用に関連したもので免疫原性との関連性はなく、自己免疫様反応の発現がADA抗体価に依存する可能性はないことが確認されました。本邦における点滴静注用製剤の承認取得後に実施された幼若ラット3ヵ月間皮下投与免疫毒性試験の成績については、成熟ラットを用いた追加免疫毒性試験の結果を幼若ラットで確認することを目的として実施されました。幼若ラット(投与開始時生後28日)にアバタセプトを0(溶媒対照)及び0.03mg/kgの用量で2週間に1回、合計4回間歇皮下投与したところ、試験1日の投与後24時間までに全例の血中にアバタセプトが検出されましたがキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に対するT細胞依存性抗体反応の阻害はみられず、CD4+CD25+Foxp3+リンパ球サブセット(制御性T細胞)に変化がみられなかったことから、幼若ラットにおいても0 . 03mg/kgは薬理作用を示さない用量であることが確認されました。一方、試験29日目までに全例で抗アバタセプト抗体及び抗cytotoxicT-lymphocyteassociatedantigen4(CTLA-4)抗体反応が検出され、アバタセプトの曝露量は抗体反応を惹起させる量でしたが、甲状腺及び膵島のリンパ球性炎症性細胞浸潤は認められませんでした。このことから、幼若ラットを用いた免疫毒性試験においても成熟ラットと同様の結果が得られ、幼若及び成熟ラットで認められた非リンパ性器官の自己免疫様の炎症は、ラットにおけるアバタセプトの種特異的な作用によるものと推察され、免疫原性によるものではないと考えられました(引用[1])。



A 添付文書上、授乳婦への投与に関して、以下の記載で注意喚起しております。

<添付文書>

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行については不明である。動物実験(ラット)で本剤の乳汁移行が認められている。(引用[2])

<参考>

◆非臨床データ

妊娠ラットにアバタセプトを10、45 及び200mg/kg の投与量で、妊娠6 日から授乳21 日にかけてほぼ3 日に1 回静脈内投与したところ、授乳12 日の母動物の血清及び乳汁、並びに生後21 日の幼若ラットの血清からアバタセプトが検出され、アバタセプトの乳汁への移行が確認されました(引用[1])。



A 添付文書上、パートナー妊娠に関する規定はございません(引用[2])。患者様の状態に合わせ、リスクとベネフィットを考慮の上、主治医の先生のご判断でお願いします。必要に応じ産科専門医にご相談ください。



A 添付文書上、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある患者は特定の背景を有する患者に関する注意に該当します。慢性閉塞性肺疾患のある患者にアバタセプトを投与する場合には、慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現することがあるので十分注意して頂くようお願いいたします(引用[2])。

<添付文書>

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.6 慢性閉塞性肺疾患のある患者慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現したとの報告がある。

<投与報告>

◆海外臨床試験

点滴静注用製剤の海外第III相臨床試験(IM101-031・ASSURE試験)において、慢性閉塞性肺疾患を合併した関節リウマチ患者にオレンシア点滴静注用(37例)又はプラセボ(17例)の投与を行ったところ、有害事象の発現頻度はオレンシア点滴静注用群で97.3%(36/37 例)、プラセボ群で88.2%(15/17 例)でした。被験者数が少ないため、明らかな結論を導くことはできませんが、COPD を合併した関節リウマチ患者に本剤を投与すると、COPD の悪化を含む呼吸器系の有害事象が増加する傾向がみられました(オレンシア点滴静注用群:43.2%、プラセボ群:23.5%)。オレンシア点滴静注用群で発現した主な事象(発現頻度5%超)は、咳嗽、低音性連続性ラ音、慢性閉塞性気道疾患の増悪、慢性閉塞性気道疾患、呼吸困難、鼻閉、気道うっ血でした。COPD が悪化した被験者は、アバタセプト群で4 例(10.8%)、プラセボ群で1例(5.9%)でした。呼吸器系の有害事象の大部分は軽度又は中等度でした(引用[1])。

◆市販後情報

点滴静注用製剤の市販後に実施した関節リウマチの適応に対する使用成績調査(全例調査)において、安全性解析対象症例3,967例中慢性閉塞性肺疾患の合併が認められたた関節リウマチ患者98例では18例(18.4%)に副作用が認められ、そのうち3例(3.1%)は重篤な副作用でした(再審査終了時)。被験者数が少ないため、明らかな結論を導くことはできませんが、慢性閉塞性肺疾患のある患者に本剤を投与する場合には、慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現することがあるので十分注意してください(引用[3])。



A 

■投与可否

添付文書上、抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているため、B型肝炎ウイルスキャリア(HBs抗原陽性)又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)にアバタセプトを投与する場合は、患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い、B型肝炎の再燃の徴候に注意して頂くよう注意喚起しております(引用[2])。また、国内外の主要臨床試験では、ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は除外されており(引用[2])、投与可否については、患者様の状態に合わせて、肝臓専門医とご相談ください。

<添付文書>

1. 警告

1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。(以下省略)

2. 禁忌

2.2 重篤な感染症の患者

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。

8.2.3 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)

感染症の発現や増悪に十分注意すること。

9.1.4 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。

【参考】

日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会編:B型肝炎治療ガイドラインもご参照ください。

http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b

■B型肝炎の副作用発現頻度

・点滴静注製剤の承認時までの国内外臨床試験において、B型肝炎発症の報告はありませんでした(引用[1])。

・点滴静注製剤の国内使用成績調査(全例調査)においては、B型肝炎及びB型肝炎再活性化が各1例(0.03%)、B型肝炎抗原陽性及びB型肝炎DNA増加が各1例(0.03%)発現しました(引用[1])。

・点滴静注製剤の国内第Ⅳ相試験において、B型肝炎DNA増加が1例(0.5%)発現しました(引用[1])。



A 添付文書上、重篤な感染症の患者は禁忌であり、結核の既感染者は特定の背景を有する患者に関する注意に該当します。本剤投与中も,胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し,患者に対し,結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳,発熱等)には速やかに担当医に連絡するよう説明してください。なお,結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないでください(引用[2])。

<添付文書>

1. 警告

1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。(以下省略)

2. 禁忌

2.2 重篤な感染症の患者

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。

8.2.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え,インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い,適宜胸部CT 検査等を行うことにより,結核感染の有無を確認すること。また,本剤投与中も,胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し,患者に対し,結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳,発熱等)には速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお,結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)感染症の発現や増悪に十分注意すること。

9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者

(1)結核の既感染者では,結核を活動化させる可能性が否定できない。

(2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には,結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には,原則として抗結核薬を投与した上で,本剤を投与すること。

・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

・インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により,既感染が強く疑われる患者・結核患者との濃厚接触歴を有する患者

9.1.3 易感染性の状態にある患者

感染症を誘発するおそれがある。

◆国内外の臨床試験では、3 年以内に治療を要する活動性結核に罹患した患者は除外基準でした(引用[1])。

◆国内では関節リウマチでの承認時までに本剤投与による結核の副作用報告はありませんが、海外では二重盲検比較試験中に0.1%未満(1/1, 955例、平均曝露期間10. 5±3.1ヵ月)、長期継続投与期間に0. 2%(6/ 3, 256例、平均曝露期間34.7±20.8 ヵ月)で結核の副作用報告があります。また、海外市販後報告では、推定曝露患者数32,187人・年のうち2件が報告されています(データカットオフ日:2008年12月22日)。

市販後に実施した関節リウマチの適応に対する使用成績調査(全例調査)において、安全性解析対象症例3, 985例中1例(0. 03%)に結核の副作用が認められました。(2013年3月集計時)(引用[3]



A 添付文書上、間質性肺炎が増悪又は再発することがあるため、間質性肺炎の既往歴のある患者様は特定の背景を有する患者に該当致します。呼吸器症状に十分注意し,異常が認められた場合には,アバタセプトの投与を中止するとともに適切な処置を行ってください。なお,間質性肺炎の既往歴のある患者には,定期的に問診を行うなど,注意してください(引用[2])。

<添付文書>

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.5間質性肺炎の既往歴のある患者

定期的に問診を行うなど,注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。

11.副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1.重大な副作用

11.1.3間質性肺炎(0.4%)

発熱,咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状に十分注意し,異常が認められた場合には,速やかに胸部レントゲン検査,胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し,本剤の投与を中止するとともに適切な処置を行うこと。

・国内において、間質性肺炎の既往歴のある患者に点滴静注用製剤を投与して、間質性肺炎が増悪又は再発した症例が報告されています(引用[1])。

・点滴静注製剤の国内第III相試験において、重篤な有害事象として報告された間質性肺炎の詳細は以下の通りです(引用[1][3])。

※個別症例情報が含まれますが、個別症例情報は、エビデンスとして十分ではないため取扱いにご注意ください。

60代男性。

約7年前に間質性肺炎を発症し、その後、軽快を認めフォローされていました。オレンシアの治験に参加するため本剤投与開始の約2ヵ月前に関節リウマチ治療に対するタクロリムス水和物の服用が中止されました。オレンシア点滴静注用最終投与2日後より痰の訴えがあり、最終投与16日後に間質性肺炎増悪と診断されました。その後、オレンシア点滴静注用を中止し、経過観察を行い、最終投与44日後に胸部CT 画像にて軽快傾向を確認、最終投与82日後に症状消失にて回復と判断されました。

■副作用発現率

オレンシア点滴静注用において、国内では承認までに間質性肺炎の副作用が0.4%(1/223例)で報告されています。また、海外において間質性肺炎の副作用は、二重盲検比較試験中(平均曝露期間10.5±3.1ヵ月)にオレンシア点滴静注用群(1,955例)、プラセボ群(989例)ともに報告はなく、長期継続投与期間(平均曝露期間34.7±20.8ヵ月)には0.2%(6/3,256例)で報告されています。また、市販後報告では推定曝露患者数32,187人・年のうち重篤な間質性肺疾患として5件が報告されています(データカットオフ日:2008年12月22日)(引用[1])。

■副作用対処法

オレンシア特有の治療法はありません。

投与中に異常が認められた場合は、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査、血液ガス検査等を実施し、オレンシアの投与を中止するとともに、適切な処置を行ってください。急速に増悪する場合や重症例では、パルス療法を含めた副腎皮質ステロイド投与等の適切な処置を行ってください。なお、間質性肺炎の既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、注意してください(引用[3])。



A 添付文書上、本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において、悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性があり、また臨床試験において、オレンシアに起因するか明らかではないが悪性腫瘍の発現が報告されているため、注意喚起しております(引用[2])。

また、過去5年以内に癌の既往歴がある患者は臨床試験から除外されており、悪性リンパ腫を含むリンパ増殖性疾患(LPD)合併・既往の患者へのオレンシア投与の安全性および有効性は確立されておりません(引用[1])。

<添付文書>

1. 警告

1.1 (前略)また,本剤との関連性は明らかではないが,悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め,これらの情報を患者に十分説明し,患者が理解したことを確認した上で,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(後略)

8. 重要な基本的注意

8.3 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。また,臨床試験において,悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤に起因するか明らかではないが,悪性腫瘍の発現には注意すること。

<参考>

■発現頻度

海外臨床試験において,アバタセプトを投与した6,028例(16,671人・年)においてリンパ腫(0.06/100人・年)が報告されております(引用[2])。

関節リウマチに対する点滴静注製剤の国内臨床試験において、重度のB細胞リンパ腫 1/223例(0.4%)が報告されております。また、国内使用成績調査(全例調査)において2/3967例(0.05%)に、国内第Ⅳ相試験において1/203例(0.5%)リンパ腫が発現しました(引用[1])。



A 長期保存試験:5℃暗所においてガラスシリンジで36ヵ月保存した結果、24ヵ月規格内でした。

加速試験:25℃/60%RH暗所においてガラスシリンジで6ヵ月保存した結果、純度試験において経時的な変化が見られ、6ヵ月の時点で規格に適合しませんでした。

苛酷試験:30℃/75%RH、暗所においてガラスシリンジで1週間保存した結果、1週間規格内でした。40℃/75%RH、暗所においてガラスシリンジで1日保存した結果、純度試験が規格に適合しませんでした(引用[6])。



A オレンシア皮下注125mgシリンジおよびオレンシア皮下注125mgオートインジェクターの貯法は「凍結を避け、2~8℃で保存」となっております(引用[6])。保存条件を逸脱した製剤は使用せず新しいものを使用してください。

<添付文書>

貯法: 凍結を避け,2~8℃で保存



A オレンシア皮下注125mgシリンジおよびオレンシア皮下注125mgオートインジェクターの貯法は「凍結を避け、2~8℃で保存」となっております(引用[5])。保存条件を逸脱した製剤は使用せず新しいものを使用してください。

<添付文書>

貯法: 凍結を避け,2~8℃で保存



A アバタセプトは抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合することでCD28を介した共刺激シグナルを阻害します。その結果、関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制し、さらに他の免疫細胞の活性化あるいは関節中の結合組織細胞の活性化によるマトリックスメタロプロテアーゼ、炎症性メディエーターの産生を抑制すると考えられます。(引用[5])。



A  血中濃度半減期

日本人の関節リウマチ患者の母集団薬物動態解析により推定された消失半減期は13.2日でした(引用[5])。

吸収

国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(IM101250)において、アバタセプト皮下投与後と点滴静脈内投与後の用量調整をしたAUC〔1投与間隔(7日間)における血清中濃度曲線下面積〕を比較した結果、本剤の絶対バイオアベイラビリティは78.4%と推定されました(引用[6])。吸収部位について検討したデータはありません(引用[6])。

代謝

代謝を検討したデータはありません。アバタセプトは内因性の蛋白と同一の分解経路によりアミノ酸へと代謝されると考えられます。また、全身に存在するプロテアーゼやペプチダーゼのような蛋白分解酵素により代謝される可能性があります。したがって、アバタセプトは肝臓中でのみ代謝されるのではなく、血液中や他の組織中でも代謝されると考えられます(引用[6])。

排泄

排泄を検討したデータはありません。分子量が大きいため、腎を介した排泄はほとんどないと考えられます(引用[6])。

<添付文書>(引用[5])。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

関節リウマチ患者28例に投与初日にアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注(負荷投与)及び本剤125mgの皮下注射を行い,その後,本剤125mgを週1回反復皮下投与したときの定常状態における薬物動態パラメータを表1に示す。本剤の絶対バイオアベイラビリティは78.4%であった。本剤125mgを週1回皮下投与したときの定常状態時のトラフ濃度幾何平均値は31~39μg/mLであった。また,母集団薬物動態解析により推定された消失半減期は13.2日であった。

テーブル

自動的に生成された説明


A シリンジ1mLとオートインジェクター1mLの主な相違点は下表をご参照ください。

シリンジ1mL

オートインジェクター1mL

用法及び用量

通常、成人には、投与初日に負荷投与としてアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注を行った後、同日中に本剤125mgの皮下注射を行い、その後、本剤125mgを週1回、皮下注射する。また、本剤125mgの週1回皮下注射から開始することもできる(引用[5])。

保管方法

遮光し、凍結を避け、2~8℃で保存(引用[5])

有効期限

使用期限:2年(引用[5])

針の太さ

29G(引用[6])

27G(引用[6])

写真



A オレンシア皮下注125mgシリンジ1mL・オートインジェクター1mL を決して2回分を一度に使用しないでください。 気がついたときに、オレンシア皮下注125mgシリンジ1mL/オートインジェクター1mLの1回分を注射してください。その後は、通常どおり1週間に1回の注射となるよう次の注射を行ってください(引用[7])。

【ご参考:海外支援情報】

EUの添付文書には、「患者がORENCIA の注射を忘れた場合、予定日から3 日以内であれば直ちに忘れた分の注射を行うよう指導し、元のスケジュールは変更しない。予定日から3日を越えている場合は、医学的判断(患者の状態や疾患活動性等)に基づき次回の投与をいつ行うかについて患者に指導すること。」と記載されています(引用[6])。



A 

◆点滴静注用製剤から皮下注製剤(オレンシア皮下注125mgシリンジ1mL/オートインジェクター1mL)への切り替え

点滴静注用製剤から皮下注製剤に切り替える場合、負荷投与は行わず、次に予定している点滴静注の代わりに本剤の初回皮下注射を行ってください(引用[5])。

◆皮下注製剤から点滴静注用製剤への切り替え

確立された切り替え方法はありません。

<添付文書>

7. 用法及び用量に関連する注意

7.3 点滴静注から皮下注射に切り替える場合,負荷投与は行わず,次に予定している点滴静注の代わりに本剤の初回皮下注射を行うこと。



A アバタセプトの点滴静注用製剤と皮下注製剤を直接比較した海外臨床試験において、点滴静注用製剤による負荷投与後、本剤125mg を週1 回皮下投与することで、点滴静注用製剤に対する有効性の非劣性が検証されるとともに、安全性に明らかな違いは認められませんでした。また、同様に両剤を比較検討した国内臨床試験においても同様の結果が認められたことから、当該用法・用量を設定する妥当性が示されました(引用[6])。



A 点滴静注が可能な患者においては、負荷投与から開始することとされていますが、オレンシア皮下注125mgの週1回皮下注射から開始することもできます (引用[5])。

点滴静注から皮下注射に切り替える場合は、負荷投与は行わず、次に予定している点滴静注の代わりに本剤の初回皮下注射を行ってください(引用[5])。

負荷投与の用法及び用量は、アバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の添付文書を参照してください。

負荷投与を行わずにアバタセプト125mgを週1回皮下注射した海外臨床試験では、2回のアバタセプト皮下注射を終了した2週目(15日目)におけるCmin値が、アバタセプト単剤皮下注射群11.2μg/mL、アバタセプト皮下注射+MTX併用投与群13.7μg/mLでした(引用[8])。

また、試験前期2期にアバタセプト皮下注射を12週間中断し、3期で再開する時にアバタセプト又はプラセボによる負荷投与のいずれかにランダム化した海外臨床試験では、Cminの平均値は、2期終了時/3期開始時(169日目)0.42μg/mL、投与再開から1ヵ月後(197日目)のアバタセプト負荷投与群34.26μg/mL、プラセボ負荷投与群21.14μg/mLでした(引用[8])。

さらに、PPKモデルを用いて、負荷投与を行わずにアバタセプト125mgの週1回皮下注射を行った時のCminをシミュレーションした結果、2週目には88%の被験者で10μg/mL以上のCminに到達することが推定されました。 これら薬物動態に加え、有効性、安全性及び免疫原性の成績から、添付文書の用法及び用量では「また、本剤125mgの週1回皮下注射から開始することもできる」としています(引用[8])。

<添付文書>(引用[5]

6. 用法及び用量

通常,成人には,投与初日に負荷投与としてアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注を行った後,同日中に本剤125mgの皮下注射を行い,その後,本剤125mgを週1回,皮下注射する。また,本剤125mgの週1回皮下注射から開始することもできる。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.2 負荷投与の用法及び用量は,アバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の添付文書を参照すること。点滴静注が可能な患者においては,負荷投与から開始すること。

7.3 点滴静注から皮下注射に切り替える場合,負荷投与は行わず,次に予定している点滴静注の代わりに本剤の初回皮下注射を行うこと。



A 白いレバーを戻さずに、手で針カバーを外してください。

手でも外れない場合には、無理に外そうとせず本剤を受け取られた医療機関へご連絡ください(引用[9])。



A 季節などにより異なりますが、投与30分前程度を目安としてください(引用[8])



A 補助具を使わなくても投与は可能です。どちらでも投与しやすい方法を選択してください。

【補足】

補助具を使用しない場合は斜め(およそ45度)に刺し、補助具を使用する場合はまっすぐ(およそ90度)に刺してください(引用[9])。



A 

シリンジ

注射器内の薬液が空になったら、内筒を押している指の力をゆっくりとゆるめてください。針が皮膚から抜けて自動的にカバーされます。(引用[9])。

テキスト が含まれている画像

自動的に生成された説明

オートインジェクター

15秒経ち、紺色部分の動きが止まっていることを確認した後、注射部位からオートインジェクターをまっすぐに離すと、安全カバーが伸び、針は自動的に格納されます。(引用[10])。

グラフ が含まれている画像

自動的に生成された説明


A 再度オートインジェクター全体をしっかり押し当て、2段目の安全カバーが1段目に格納されていることを確認し、注射ボタンを押してください(引用[10])。



A 薬液確認窓を見ていただき、プランジャ(紺色)が最後まで下がりきって止まっていれば全量投与されています。

青色の注射ボタンをカチッと音がするまで押すと自動的に注射が始まり、薬液確認窓内の紺色部分が動き出します。薬液がすべて入りきるまで、15秒間はオートインジェクターを注射部位に当てたままにしてください(引用[10])。

ダイアグラム

自動的に生成された説明


A 故障ではありません。一度キャップを外すと、再度キャップすることはできません(引用[10])。

【補足】

15秒経ち、紺色部分の動きが止まっていることを確認した後、注射部位からオートインジェクターをまっすぐに離すと、安全カバーが伸び、針は自動的に格納されます(引用[10])。



A 医療廃棄物として適切に廃棄ください(引用[10])。



A 手術を行う患者への投与報告が少なく、周術期管理については確立していません。国内報告では、オレンシア投与中に人工膝関節置換術(TKA)を施行した関節リウマチ患者2例において、術前4週、術後2週~4週の休薬で手術後の創傷治癒の遅延や感染症の発現、多関節痛の再燃はなく、特に問題はなかったと報告されています(引用[8])。

【参考】(引用[8])

関節リウマチ(RA)に対するアバタセプト使用の手引きもご参照ください。

https://www.ryumachi-jp.com/publish/guide/guideline_abt/



A 添付文書上、オレンシア皮下注製剤を使用する際は負荷投与を行っていただくよう規定されており、他剤から切り替える場合であっても、点滴静注が可能な患者においては、負荷投与をお願いいたします(引用[5])。

また、抗TNF製剤等の生物製剤からの切り替えについては、添付文書の8. 重要な基本的注意8.1 「抗TNF製剤等の生物製剤から本剤に切り替える際には,感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。」と記載して注意喚起しております(引用[5])。

<添付文書>

6. 用法及び用量

通常,成人には,投与初日に負荷投与としてアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注を行った後,同日中に本剤125mgの皮下注射を行い,その後,本剤125mgを週1回,皮下注射する。また,本剤125mgの週1回皮下注射から開始することもできる。

8. 重要な基本的注意

8.1 抗TNF製剤等の生物製剤から本剤に切り替える際には,感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。

<参考>

抗TNF製剤からの切り替えについては、点滴静注ではありますが、以下の報告がございます。

ARRIVE試験

抗TNF製剤が効果不十分となった患者を対象として、抗TNF製剤からオレンシア点滴静注用への切り替え時のウォッシュアウト期間の必要性について検討されました。本試験の対象患者は、スクリーニング時において、ウォッシュアウト群では、抗TNF製剤を2ヵ月以上投与中止しているものが登録され、非ウォッシュアウト群では、抗TNF製剤を2ヵ月以内に投与されているものが登録されました。その結果、ウォッシュアウト期間の有無はオレンシア点滴静注用の有効性・安全性に大きな影響を及ぼさないことが示唆されました (引用[8])。

薬物動態

関節リウマチ患者28例に投与初日にアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注(負荷投与)及び本剤125mgの皮下注射を行い、その後、本剤125mgを週1回反復皮下投与したときの定常状態における薬物動態パラメータ(幾何平均値)は、Cmaxが43μg/mL(変動係数28%)、1投与間隔(7日間)における血清中濃度曲線下面積が5889μg・h/mL(変動係数30%)でした。本剤の絶対バイオアベイラビリティは78.4%でした。本剤125mgを週1回皮下投与したときの定常状態時のトラフ濃度幾何平均値は31~39μg/mLでした。また、母集団薬物動態解析により推定された消失半減期は13.2日でした(引用[5]) 。



A 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)です(引用[5])。



A 外国人関節リウマチ患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験IM101-174(ACQUIRE)および、日本人関節リウマチ患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験IM101-250があります(引用[6])。

<詳細>

IM101-174試験:

目的:MTX に効果不十分な活動性関節リウマチ患者を対象に、アバタセプトの皮下注射時と点滴静注時の有効性及び安全性を比較検討すること。

主要評価項目:投与6ヵ月後のACR20% 改善率における本剤皮下投与のアバタセプト点滴静脈内投与に対する非劣性

結果:6ヵ月(169日目)後のACR20% 改善率は、SC群76.0%(527/693例)及びIV群75.8%(514/678例)であり、群間差は0.3%[95%信頼区間(−4.2, 4.8)]で、下限値が事前に設定された非劣性マージン-7.5%を上回ったことから、IV群に対するSC群の非劣性が検証されました。

IM101-250試験:

目的:MTX に効果不十分な活動性関節リウマチ患者を対象に、アバタセプトの皮下注射時と点滴静注時の有効性、薬物動態、安全性及び免疫原性の類似性を検討すること。

主要評価項目:6ヵ月後のACR20% 改善率

結果:ACR20% 改善率はSC 群91.5%、IV 群83.1% で、群間差は8.5%〔95%信頼区間(-9.3, 26.9)〕でした。



A 本剤投与後,アバタセプトに対する抗体が産生されることがあります(引用[5])。

添付文書において、抗体産生に関して以下の通り記載されております。

<添付文書>(引用[5])

15.その他の注意

15.1.3本剤投与後,アバタセプトに対する抗体が産生されることがある。国内臨床試験において,電気化学発光法による投与期間中の抗体陽性率は本剤投与群3.6%(2/56例),点滴静注群3.6%(2/56例)であり,投与後最長168日までの抗体陽性率は本剤投与16.1%(9/56例),点滴静注群10.7%(6/56例)であった。海外臨床試験における免疫原性の結果は以下の通りであった。なお,抗体の発現と効果又は有害事象との関連は明らかではない。

・メトトレキサート併用下で実施した海外臨床試験において,アバタセプトの皮下投与時及び点滴静注時の免疫原性について検討した。酵素免疫吸着測定法によるアバタセプトに対する抗体陽性率は,本剤投与群1.1%(8/725例),点滴静注群2.3%(16/710例)であり,点滴静注用製剤でこれまで得られた結果と同様であった。アバタセプトの皮下投与時の電気化学発光法による投与期間中の抗体陽性率は2.3%(16/684例),投与後最長168日までの抗体陽性率は9例中0例であった。免疫原性による薬物動態,安全性又は有効性への明らかな影響は認められなかった。

・点滴静注用製剤による負荷投与を行わない本剤単独皮下投与時の免疫原性への影響を検討した。本剤単独群(49例)及びメトトレキサート併用群(51例)に投与開始4ヵ月時点で抗体陽性例は認められなかった。また,安全性についても,本剤の他の臨床試験で得られた結果と明らかな違いは認められなかった。

・本剤の3ヵ月間の投与中断及び再開による免疫原性への影響を検討した。本剤投与中断による抗体陽性率の上昇は,点滴静注用製剤の投与中断時に認められた結果と同様であった。最長3ヵ月間,本剤投与中断後に投与を再開した患者では,本剤投与を継続した患者と比べ,再開時の点滴静注用製剤による負荷投与の有無に係らず,効果の発現に明らかな違いは認められず,投与時反応も認められなかった。また,本試験での点滴静注用製剤による負荷投与なしの場合の安全性は,他の試験の結果と同様であった。



A 一般にアバタセプトを含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は、予防接種の効果を低下させる可能性があります(引用[5])。

◆生ワクチン

アバタセプトを含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は、予防接種の効果を低下させる可能性があります。オレンシア皮下注製剤投与中及び投与中止後3ヵ月間は、生ワクチン接種により感染する潜在的リスクがあるので、生ワクチン接種を行わないでください(引用[5])。

◆不活化ワクチン

不活化ワクチンの接種時期についてまとまった見解は得られておりません(引用[8])。

<皮下注製剤での報告>

オレンシア皮下注製剤により3ヵ月治療した後に肺炎球菌ワクチンを接種したところ、ベースライン時に防御抗体が認められなかった患者の73.9%(34/46例)が免疫応答を示しました(引用[4])。

オレンシア皮下注製剤により3ヵ月治療した後に季節性インフルエンザワクチンを接種したところ、ベースライン時に抗体価が認められなかった患者の61.3%(73/119例)が免疫応答に関する主要評価項目を達成しました(引用[8])。

<添付文書>(引用[5])

8. 重要な基本的注意

8.4 本剤投与中及び投与中止後3ヵ月間は,生ワクチン接種により感染する潜在的リスクがあるので,生ワクチン接種を行わないこと。また,一般に本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は,予防接種の効果を低下させる可能性がある。

<参考>

関節リウマチ(RA)に対するアバタセプト使用の手引き1)もご参照ください。

https://www.ryumachi-jp.com/publish/guide/guideline_abt/



A アバタセプトの国内臨床試験において、カルシニューリン阻害薬(タクロリムス及びシクロスポリン)の併用を禁止しており 、併用に関して十分なデータは得られておらず、安全性は確立していません(引用[5][6])。

<添付文書>

15. その他の注意 15.1 臨床使用に基づく情報

15.1.5本剤とタクロリムス等のカルシニューリン阻害薬との併用について,安全性は確立していない。



A 添付文書上、抗リウマチ生物製剤以外の生物製剤との併用に関しては記載がございませんため、使用に際してはオレンシアおよび併用する薬剤の薬理作用や副作用等を考慮の上、ご判断いただけますようお願いいたします。

なお、添付文書には以下の通り記載されており、他の抗リウマチ生物製剤との併用はお勧めできません。(引用[5])

<添付文書>

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤と抗TNF 製剤の併用は行わないこと。海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、本薬と抗TNF製剤の併用療法を受けた患者では併用による効果の増強は示されておらず、感染症及び重篤な感染症の発現率が抗TNF製剤のみによる治療を受けた患者での発現率と比べて高かった。また、本剤と他の生物製剤の併用について、有効性及び安全性は確立していないので、併用を避けること。

オレンシア皮下注製剤の添付文書には以下の通り記載されています(引用[5])。

<添付文書>

14.適用上の注意

14.2 薬剤投与時の注意

14.2.1 注射部位は大腿部、腹部、上腕部を選ぶこと。同一箇所へ繰り返し注射することは避け、新たな注射部位は、前回の注射部位から少なくとも3cm離すこと。

他の皮下注製剤を併用する場合の投与部位は、同じ部位への投与は避けていただけますようお願いいたします。



A 国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(IM101-250)及び海外第Ⅲ相試験(IM101-174)における有害事象の発現状況は表のとおりでした(引用[6])。

国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(IM101-250)

海外第Ⅲ相試験(IM101-174)

SC群(59例)

IV群(59例)

SC群(736例)

IV群(721例)

死亡

0

0

2 (0.3)

5 (0.7)

有害事象

45 (76.3)

49 (83.1)

493 (67.0)

470 (65.2)

重篤な有害事象

4 (6.8)

3 (5.1)

31 (4.2)

35 (4.9)

中止に至った有害事象

3 (5.1)

1 (1.7)

15 (2.0)

25 (3.5)

副作用

31 (52.5)

35 (59.3)

204 (27.7)

210 (29.1)

例数(%)



A 添付文書上、以下の通り記載されております。(引用[5])。

1.警告

1.1(前略)本剤との関連性は明らかではないが,悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め,これらの情報を患者に十分説明し,患者が理解したことを確認した上で,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。(後略)

8.重要な基本的注意

8.3 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。また,臨床試験において、悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤に起因するか明らかではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。

■発現頻度

<臨床試験>

海外における関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照試験において、悪性腫瘍の発現率は、アバタセプトを投与(中央値12ヵ月)した2,111例のうち29例(1.4%)で、プラセボを投与した1,099例のうち12例(1.1%)と同様でした。関節リウマチ患者を対象とした海外二重盲検試験及び非盲検試験において、アバタセプトを投与した6,028例(16,671人・年)における悪性腫瘍の発現率は、100人・年当たり1.35であり、7年間ほぼ一定でした。このうち、黒色腫以外の皮膚癌が0.64、固形癌が0.62及び悪性血液疾患が0.10でした。主な固形癌は肺癌(0.14/100人・年)であり、主な悪性血液疾患はリンパ腫(0.06/100人・年)であり、7年間ほぼ一定でした。二重盲検試験及び非盲検試験の累積データにおける、悪性腫瘍全体の発現率、主な癌種別(黒色腫以外の皮膚癌、固形癌及び悪性血液疾患)の発現率、個々の癌種の発現率はいずれも二重盲検試験と同様でした。なお、これらの悪性腫瘍の発現率は関節リウマチ患者から予測されるものと一致していました(引用[5])。

■悪性腫瘍が増加しますか?

現時点ではオレンシアの投与により悪性腫瘍が増えるかどうか、結論は出ていません。



A 重篤な過敏症が現れることがあるため、観察を十分に行い、このような反応が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行ってください(引用[5])。

<添付文書>

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

11.1.2 重篤な過敏症

ショック,アナフィラキシー(0.1%未満)及び低血圧,蕁麻疹,呼吸困難等の重篤な過敏症があらわれることがある。

国内臨床試験では、承認時までにショック及びアナフィラキシーの副作用報告はありませんでした。

海外では、オレンシア点滴静注用の二重盲検比較試験中(平均曝露期間10.5±3.1ヵ月)に副作用として過敏症が0.2%(3/1,955例)で報告されており、長期継続投与期間(平均曝露期間34.7±20.8ヵ月)にはアナフィラキシー反応が0.1%未満(1/3,256例)、過敏症が0.2%(8/3,256例、うち重度以上が1例)で報告されました。また、海外市販後報告では、推定曝露患者数32,187人・年のうち重篤なアレルギー反応として48件(うちアナフィラキシー反応が23件、過敏症が17件、アナフィラキシー様反応が1件)が報告されています(データカットオフ日:2008年12月22日)。

また、点滴静注用製剤の国内使用成績調査(全例調査)では、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー反応が各0.03%(1例/3,967例)に認められました(引用[6])。

観察を十分に行い,ショック、アナフィラキシー等の重篤な過敏症が発現した場合は,速やかに投与を中止し適切な処置を行ってください(引用[5])。



A アバタセプトの副作用として、その他の副作用の項に血中ブドウ糖増加が0.1~1%未満の頻度で発生することが記載されておりますのでご注意ください(引用[5])。



A 添付文書上、重篤な感染症の患者は禁忌、感染症の患者又は感染症が疑われる患者は特定の背景を有する患者に関する注意に該当します(引用[5])。

アバタセプトを投与された患者に、敗血症や肺炎を含む重篤な感染症が報告されており、致命的な経過をたどることがあります。

感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者、慢性、潜在性の感染又は局所感染がある患者等)、易感染性の状態にある患者に対してアバタセプトの使用を考慮する場合、感染症の発現や増悪に十分注意してください。また、アバタセプト投与中は、十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意してください(引用[5])。

<添付文書>

1. 警告

1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。(後略)

2. 禁忌

2.2 重篤な感染症の患者

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)感染症の発現や増悪に十分注意すること。

9.1.3 易感染性の状態にある患者感染症を誘発するおそれがある。

11. 副作用次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

11.1.1 重篤な感染症敗血症(0.1%),肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)(0.9%),蜂巣炎(0.4%),局所感染(0.1%未満),尿路感染(0.3%),気管支炎(1.2%),憩室炎(0.1%未満),急性腎盂腎炎(0.1%未満)等の重篤な感染症があらわれることがあり,致命的な経過をたどることがある。重篤な感染症の多くは,免疫抑制療法を併用している患者において認められている。

アバタセプトの投与により感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性があるため(引用[5])、既存の帯状疱疹が悪化する可能性は否定できません。アバタセプト投与により帯状疱疹が悪化した場合、アバタセプトに特有の対処法はありません。医療機関のご判断で適切な処置を行ってください。

<参考>

アバタセプト承認時までの国内臨床試験において、皮下注製剤では帯状疱疹の発現は認められませんでした(引用[6])。

海外第Ⅲ相試験(IM101235試験)においては、帯状疱疹の副作用は3/318例(0.9%)報告されました(引用[6])。



A 重篤な感染症が発現した場合には、投与を中止し適切な処置を行ってください(引用[5])。

なお、アバタセプト投与による感染症に特有の治療法はありません。

オレンシアの添付文書上、重篤な感染症の患者は禁忌、感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者は特定の背景を有する患者に関する注意に該当します(引用[5])。

アバタセプトを投与された患者に、敗血症や肺炎を含む重篤な感染症が報告されており、致命的な経過をたどることがあります。感染症の再発を繰り返す患者、易感染性の状態にある患者、あるいは慢性、潜在性の感染又は局所感染がある患者に対してアバタセプトの使用を考慮する場合、感染症の発現や増悪に十分注意してください。また、アバタセプト投与中は、十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意してください。

<添付文書>

1. 警告

1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。

2. 禁忌

2.2 重篤な感染症の患者

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。

8.2.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え,インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い,適宜胸部CT 検査等を行うことにより,結核感染の有無を確認すること。また,本剤投与中も,胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し,患者に対し,結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳,発熱等)には速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお,結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。

8.2.3 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)

感染症の発現や増悪に十分注意すること。

9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者

(1)結核の既感染者では,結核を活動化させる可能性が否定できない。

(2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には,結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には,原則として抗結核薬を投与した上で,本剤を投与すること。

・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者・インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により,既感染が強く疑われる患者・結核患者との濃厚接触歴を有する患者

9.1.3 易感染性の状態にある患者

感染症を誘発するおそれがある。

9.1.4 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

11.1.1 重篤な感染症

敗血症(0.1%),肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)(0.9%),蜂巣炎(0.4%),局所感染(0.1%未満),尿路感染(0.3%),気管支炎(1.2%),憩室炎(0.1%未満),急性腎盂腎炎(0.1%未満)等の重篤な感染症があらわれることがあり,致命的な経過をたどることがある。重篤な感染症の多くは,免疫抑制療法を併用している患者において認められている。

各種臨床試験及び市販後調査における感染症の発現率は以下の通りです(引用[6])。

国内臨床試験の二重盲検期における感染症および寄生虫症の発現率は28.8%(17/59例)で、主なものは、鼻咽頭炎9例15.3%でした。海外第Ⅲ相試験(IM101174試験)の二重盲検期間における感染症および寄生虫症の発現率は11.3%(83/736例)で、主なものは、上気道感染15例(2.0%)、気管支炎12例(1.6%)、鼻咽頭炎及び副鼻腔炎各9例(1.2%)でした。

海外第III相試験(IM101235試験)における感染症および寄生虫症の発現率は30.8%(98/318例)で、主なものは、上気道感染25例(7.9%)、気管支炎20例(6.3%)、鼻咽頭炎及び尿路感染各17例(5.3%)、副鼻腔炎15例(4.7%)、肺炎6例(1.9%)等でした。(効能追加承認時)



A 添付文書上、腎機能障害患者への投与に関して、制限や投与量調整等の規定はございません。

また、腎・泌尿器系に関連する副作用が報告されています(引用[5])。

投与に際しては、患者の状態を十分に観察し、リスクとベネフィットを十分に考慮した上で、医師の判断でお願いします。

<参考>

◆薬物動態

アバタセプトの分子量(約92000)は大きいため、腎を介した排泄はほとんどないと考えられます(引用[6])。

◆非臨床データ

マウスを用いた6ヵ月の反復投与毒性試験において、病理組織学的変化として、腎臓で軽度の慢性多巣性炎、リンパ球浸潤及び尿細管細胞変性を伴う尿細管上皮細胞における巨大核の発現頻度及び程度の可逆的な上昇が認められました。臨床病理学的検査では腎機能に及ぼす悪影響はみられませんでした(引用[6])。



A 添付文書上、透析患者への投与に関して、制限や投与量調整等の規定はございません。腹膜透析及び血液透析による除去率について検討したデータはございません。

投与に際しては、患者の状態を十分に観察し、リスクとベネフィットを十分に考慮した上で、医師の判断でお願いします。

<参考>

◆薬物動態

アバタセプトの分子量(約92000)は大きいため、腎を介した排泄はほとんどないと考えられます(引用[6])。

◆非臨床データ

マウスを用いた6ヵ月の反復投与毒性試験において、病理組織学的変化として、腎臓で軽度の慢性多巣性炎、リンパ球浸潤及び尿細管細胞変性を伴う尿細管上皮細胞における巨大核の発現頻度及び程度の可逆的な上昇が認められました。臨床病理学的検査では腎機能に及ぼす悪影響はみられませんでした(引用[6])。



A 添付文書上、肝機能障害患者への投与に関して、規定はございません。

ただし、抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されていますので、アバタセプトの投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認してください。B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)にアバタセプトを投与する場合は,患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意してください。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外されていました(引用[5])。

また、肝機能障害に関する副作用が報告されています(引用[5])。

投与に際しては、患者の状態を十分に観察し、リスクとベネフィットを十分に考慮した上で、医師の判断でお願いします。

<添付文書>

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.3抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.4 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)

患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。



A 添付文書上、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。と記載して注意喚起しております(引用[5])。

臨床試験では、妊婦もしくは妊娠の可能性がある症例に関しては除外基準となっており、妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。また、ヒトでの胎盤通過性は不明ですが、ラット及びウサギにおいて胎盤通過性が認められています。さらに、ラット雌出生児に自己免疫様の所見(T細胞依存性抗体応答亢進及び甲状腺炎等の免疫機能の変化)が認められています(引用[6])。患者様の状態に合わせ、リスクとベネフィットを考慮の上、主治医の先生のご判断でお願いします。必要に応じ産科専門医にご相談ください。

<添付文書>

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.5. 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)において本薬の胎盤通過性が認められている。また,動物実験では最高投与量(マウスで300mg/kg,ラット及びウサギで200mg/kg)まで催奇形性は認められなかったが,ラットにおいて200mg/kg(ヒトに125mgを皮下投与した場合の全身曝露量(AUC)の25倍のAUC)で雌出生児に自己免疫様の所見が認められている。(引用[5]

<参考>

◆オーストラリアの妊娠カテゴリー

Cです(引用[6])。

<参考>

生殖発生毒性試験受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験

ラットにアバタセプトを投与したところ、投与量200mg/kg(臨床用量でのヒトの曝露量の25倍の曝露量)まで雌雄の親動物の生殖能及び次世代の初期胚発生に及ぼす影響は認められませんでした。(引用[6])。

胚・胎児発生に関する試験

マウス、ラット及びウサギを用いた試験の結果、アバタセプト投与の影響はみられませんでした(ラット及びウサギの曝露量は、ヒトの曝露量のそれぞれ30及び29倍でした)。アバタセプトは試験に用いたいずれの動物種においても、母動物又は胚・胎児に毒性を示しませんでした。ラット及びウサギを用いた試験では、アバタセプトの胎盤通過が確認されたことから、アバタセプトを投与された母動物由来の胎児はアバタセプトに曝露されていたと考えられます(引用[6])。

出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験

ラットの母動物(F0)にアバタセプトをほぼ3日に1回静脈内投与したところ、母動物では投与量200mg/kg(臨床用量でのヒトの曝露量の25倍の曝露量)まで、出生児(F1)では45mg/kg(臨床用量でのヒトの曝露量の7倍の曝露量)までアバタセプト投与の影響はみられませんでした。投与量200mg/kgでは、アバタセプト投与に関連するF1雌ラットの変化として、KLHに対するT細胞依存性抗体応答の亢進(対照群の9倍)及び1例で中等度のびまん性甲状腺炎が認められました。これらの所見は片性(雌)又は1例の動物(雌)に限定された変化であり、その他の免疫学的パラメータ[脾臓リンパ球のフェノタイプ、血清Ig量及び抗核抗体産生]には影響がみられませんでした(引用[6])。



A 添付文書上、授乳婦への投与に関して、以下の記載で注意喚起しております(引用[5])。

<添付文書>

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行については不明である。動物実験(ラット)で本薬の乳汁移行が認められている。

<参考>

◆非臨床データ

妊娠ラットにアバタセプトを10、45及び200mg/kgの投与量で、妊娠6日から授乳21日にかけてほぼ3日に1回静脈内投与したところ、授乳12日の母動物の血清及び乳汁、並びに生後21日の幼若ラットの血清からアバタセプトが検出され、アバタセプトの乳汁への移行が確認されました(引用[6])。



A 添付文書上、パートナー妊娠に関する規定はございません(引用[5])。患者様の状態に合わせ、リスクとベネフィットを考慮の上、主治医の先生のご判断でお願いします。必要に応じ産科専門医にご相談ください。



A 添付文書上、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある患者は特定の背景を有する患者に関する注意に該当します。

慢性閉塞性肺疾患のある患者にアバタセプトを投与する場合には、慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現することがあるので十分注意して頂くようお願いいたします(引用[5])。

<添付文書>

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.6慢性閉塞性肺疾患のある患者

慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現したとの報告がある。

<投与報告:点滴静注製剤>

◆海外臨床試験

点滴静注用製剤の海外第III相臨床試験(IM101-031・ASSURE試験)において、慢性閉塞性肺疾患のある患者にオレンシア点滴静注用(37例)又はプラセボ(17例)の投与を行ったところ、オレンシア点滴静注用を投与した患者で副作用の発現率が高い傾向が認められ(本剤投与群51.4%、プラセボ群47.1%)、また、オレンシア点滴静注用投与群のみに、重篤な副作用が2例(5.4%)発現し、その内訳は慢性閉塞性肺疾患の増悪、気管支炎が各1例(各2.7%)でした(引用[6])。

◆市販後情報

点滴静注用製剤の市販後に実施した使用成績調査(全例調査)において、安全性解析対象症例3,967例中慢性閉塞性肺疾患の合併が認められた患者98例では18例(18.4%)に副作用が認められ、そのうち3例(3.1%)は重篤な副作用でした(再審査終了時)。被験者数が少ないため、明らかな結論を導くことはできませんが、慢性閉塞性肺疾患のある患者に本剤を投与する場合には、慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現することがあるので十分注意してください(引用[8])。



A 

■投与可否

添付文書上、抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているため、B型肝炎ウイルスキャリア(HBs抗原陽性)又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)にアバタセプトを投与する場合は、患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い、B型肝炎の再燃の徴候に注意して頂くよう注意喚起しております(引用[5])。また、国内外の主要臨床試験では、ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は除外されておりました(引用[5])。

<添付文書>

1. 警告

1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。(以下省略)

2. 禁忌

2.2 重篤な感染症の患者

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。

8.2.3 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)感染症の発現や増悪に十分注意すること。

9.1.4 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。

【参考】

免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインもご参照ください。

日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会編 : B型肝炎治療ガイドライン

http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b

■B型肝炎の副作用発現頻度

・皮下注製剤の承認時までの国内外臨床試験において、B型肝炎発症の報告はありませんでした(引用[6])。



A 添付文書上、重篤な感染症の患者は禁忌であり、結核の既感染者は慎重投与に該当します(引用[5])。

<添付文書>

1. 警告

1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。(以下省略)

2.禁忌

2.2 重篤な感染症の患者

8. 重要な基本的注意

8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。

8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。

8.2.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え,インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い,適宜胸部CT検査等を行うことにより,結核感染の有無を確認すること。また,本剤投与中も,胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し,患者に対し,結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳,発熱等)には速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお,結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)感染症の発現や増悪に十分注意すること。

9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者

(1)結核の既感染者では,結核を活動化させる可能性が否定できない。

(2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には,結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には,原則として抗結核薬を投与した上で,本剤を投与すること。

・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

・インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により,既感染が強く疑われる患者

・結核患者との濃厚接触歴を有する患者

9.1.3 易感染性の状態にある患者

感染症を誘発するおそれがある。

◆国内外の臨床試験では、3年以内に治療を要する活動性結核に罹患した患者は除外基準でした(引用[6])。

◆皮下注製剤の国内の臨床試験において、結核は発現しませんでしたが、海外臨床試験期間中に結核が疑われた患者は、皮下注製剤投与群または点滴静注用製剤群で、それぞれ4例(0.2%)、1例(<0.1%)でした(引用[6])。



A 添付文書上、間質性肺炎が増悪又は再発することがあるため、間質性肺炎の既往歴のある患者様は慎重投与に該当致します。呼吸器症状に十分注意し,異常が認められた場合には,アバタセプトの投与を中止するとともに適切な処置を行ってください。なお,間質性肺炎の既往歴のある患者には,定期的に問診を行うなど,注意してください(引用[5])。

<添付文書>

9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.5 間質性肺炎の既往歴のある患者定期的に問診を行うなど,注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。

11.副作用

11.1重大な副作用

11.1.3間質性肺炎(0.4%)

発熱,咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状に十分注意し,異常が認められた場合には,速やかに胸部レントゲン検査,胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し,本剤の投与を中止するとともに適切な処置を行うこと。

■副作用発現率

皮下注製剤の国内臨床試験の二重盲検期間では、間質性肺炎の副作用が1.7%(1/59例)で報告されています(引用[6])。

■副作用対処法

オレンシア特有の治療法はありません。

投与中に異常が認められた場合は、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査、血液ガス検査等を実施し、オレンシアの投与を中止するとともに、適切な処置を行ってください。急速に増悪する場合や重症例では、パルス療法を含めた副腎皮質ステロイド投与等の適切な処置を行ってください。なお、間質性肺炎の既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、注意してください(引用[8])。



A 添付文書上、本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において、悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性があり、また臨床試験において、オレンシアに起因するか明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されているため、注意喚起しております(引用[5])。

また、過去5年以内に癌の既往歴がある患者は臨床試験から除外されており、悪性リンパ腫合併・既往の患者へのオレンシア投与の安全性および有効性は確立されておりません(引用[6])。

<添付文書>(引用[5])

1. 警告

1.1 (前略)また,本剤との関連性は明らかではないが,悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め,これらの情報を患者に十分説明し,患者が理解したことを確認した上で,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(後略)

8. 重要な基本的注意

8.3本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。また、臨床試験において,悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤に起因するか明らかではないが,悪性腫瘍の発現には注意すること。

<参考>

■発現頻度

二重盲検試験及び非盲検試験において,アバタセプトを投与した6,028例(16,671人・年)におけるリンパ腫の発現率は,100人・年当たり0.06であり,7年間ほぼ一定でした(引用[5])。



A

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